アルスラーン戦記 風塵乱舞について書きます。
2015年春に放映されたアルスラーン戦記の2期です。
言わずとしれた、田中芳樹さん原作の名作のアニメ化で、キャラクターデザインは、鋼の錬金術師や銀の匙 Silver Spoonでおなじみの漫画家荒川弘さん。
このコンビで同時に漫画も連載がされているようですけど、アニメの方が話は先に進んでしまっているのかな?
1期が話はこれからという所で終わってしまったので、2期を待っていた人は多いのではないでしょうか。
私も2期を楽しみに待っていた一人です。
公式ツイッターでつぶやかれる際の推奨ハッシュタグは「#arslan」です。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
アルスラーン戦記 風塵乱舞あらすじ
交易と肥沃な大地に支えられた大国パルスは、異教徒の国ルシタニアの侵攻によって、一夜にして、その永木に渡る平和をおびやかされた。
パルスとルシタニアの戦いにおいて、初陣にして大敗を経験し、帰るべき土地を奪われて亡国の王子となった少年・アルスラーンは、「戦士の中の戦士」の異名を持つ最強の騎士・ダリューンと、たったふたりで奪われた王都エクバターナを取り戻すための旅を始める。
そんな二人のもとに、ナルサス、エラム、ギーヴ、ファランギース、アルフリード、ジャスワント-苛酷な戦いを切り抜ける中、力強い仲間たちが次々と集う。
また、アルスラーン自身も、さまざまな経験を積むことで、ただ守られるだけの頼りない存在から、周囲を守り導く存在へと、たくましく成長していくのだった。
(引用:公式サイト・INTRODUCTIONページより)
スタッフ詳細
- 原作:田中芳樹、荒川弘
- 監督:阿部記之
- シリーズ構成:上江洲誠
- キャラクターデザイン:小木曽伸吾・田澤湖・渡邊和夫
- 音楽:岩代太郎
- 製作会社:ライデンフィルム
- 製作:「アルスラーン戦記」製作委員会・MBS
主要キャラキャスト詳細
- アルスラーン:小林裕介
- ダリューン:細谷佳正
- ナルサス:浪川大輔
- エラム:花江夏樹
- ギーヴ:KENN
- ファランギース:坂本真綾
- アルフリード:沼倉愛美
- ヒルメス:梶裕貴
アルスラーン戦記 風塵乱舞公式PV
気になったキャラ・セリフ
『おぬしにだけ殺されては他の者に義理が立たぬのでな。ここで殺されてやるわけにはいかぬ。』ダリューン
ダリューンに同胞を多く殺されたというキャラとの一騎打ちでの会話。
絶対に自分が殺した人に義理立てなんてしてないっしょwwってセリフですなw
こういうちょっと相手に対して皮肉めいた事を戦闘中に言える余裕がある程にダリューンというキャラクターが強いという事を視聴者としては感じとってしまう。
実際にダリューンは豪傑キャラなんだけど、その強さを際立たせるセリフで、セリフ一つでキャラに個性を持たせる事ができるんだなと感心したよ。
素直にダリューンかっけぇ~ってなったwww
第1話の感想・考察・評価
個人的には2期待ってましたという作品。
1期がかなり見応えのある作品で、作中で舞台となるパルスという国の歴史を学んでいるかのようだった。
これは原作者の田中芳樹さんの得意とする歴史ファンタジー作品としての一面でもあると思う。
それでいて主人公のアルスラーンを初めとする登場人物が実に魅力的なキャラクターが揃っている。
田中芳樹さんの代表作である銀河英雄伝説は題材が宇宙を舞台とするSF要素が絡む作品であるけども、アルスラーン戦記と共通する点として、どちらも世界観の中の登場する人物が歴史上の人物であったりして、一つの国家の歴史を追うことができる事。
登場人物達が有能・無能問わず、魅力的なキャラが多数登場するという事。
そのキャラ達が紡ぐ歴史ドラマを視聴者は見る事ができる。
正直アルスラーン戦記を見ていて、これはNHKの大河ドラマか?
というような印象すら持った。
実写のドラマとアニメでは映像としての表現方法は違うとはいえ、歴史を追えるという点では非常に近いものがあると思う。
まぁアルスラーン戦記にしろ、銀河英雄伝説にしろ、架空の歴史なんだけどw
でも、歴史好きの人はすんなりと作品の世界観に浸れるんじゃないかと思う。
1期を一通り見て、抱いた感想は、架空の歴史をあたかも本当に過去に起こった歴史であるかの如く描いている点が、作者の田中芳樹さんはすごい人だなと。
基本的には中世の封建主義な国家が並立している世界観で、各国の覇権争いから勃発する戦争の歴史を描いているもの。
その中で主人公アルスラーンの国パルスが舞台として物語が進行している。
見てて、普通に世界史で、どこかの時代で教科書に出てきそうと感じてしまう。
銀河英雄伝説を見ている俺としては、銀河英雄伝説で未来の歴史を描いていた人には、過去の歴史を描くのも簡単なんだなと。
この二つの作品が歴史ものとしての側面がある事は先にも書いたけど、共通点として国家の歴史に宗教が絡んでくる事。
銀河英雄伝説では、人類が銀河という宇宙の広大な地域に進出した中で、地球に対して聖地として尊崇の念を抱く地球教という復古的宗教を登場させて、歴史の裏で暗躍をさせる役割を与えている。
片やアルスラーン戦記では、イアルダボート教という宗教を国教としている国家を、主人公の国の敵対国として登場させている。
それぞれの作品でまったく違う登場の枠組みなんだけど、宗教という概念を作品に組み込む事で、物語の内容を単純な国家間の戦争から、よりリアルな歴史ドラマに仕上げている。
人間と宗教という概念は切っても切れない関係だし、事実我々の歴史と宗教は密接な関係を持っている。
アルスラーン戦記見ながら、宗教ってすげー身近なものなんだなと改めて気付いた気がする。
それでいて、カッコいいキャラ達が剣を使って戦闘を行ったり、国を追われた主人公の元に優秀な武将達が集まってきて国を取り戻そうとするわけだから、見てる側としてはワクワク感はんぱないwww
1期はそのワクワク感の中で終了。
これは餌をお預けくらってるペット状態ですわww
そんな状態なので、冒頭にも書いたけど待ちに待ってましたとw
この作品の特徴の一つとして、魅力的なキャラクターが多数登場するという事を書いたけど、主人公のアルスラーンは王太子でありながら、身分を関係なく民の事を考える名君たる素質を備えているキャラで、どっからどうみても善玉の王道を歩むキャラ。
でもってアルスラーンを支える家臣達には、一騎当千の豪傑ダリューンや、知略をもって戦闘を勝利に導く軍師ナルサスなど、それぞれのキャラのキャラ性が被らないように描かれていて、一人一人のキャラが個性的に思えてします。
これら魅力的な家臣団が、極端な話、主君である王太子アルスラーンの為だけに命を投げ打って働いていく姿が、この作品の魅力の一つなんだと思う。
なんだろうなぁこの感じ。
かなり余談なんだけど、先日DVD借りて見た、NHKの大河ドラマ軍師官兵衛と近いものを感じた。
軍師官兵衛で興奮した場面、織田信長が本能寺の変で討たれた後に、黒田官兵衛を始めとした羽柴秀吉の家臣達が、秀吉の天下取りの為に一丸となって行動した場面。
秀吉が死んで関ケ原の戦いに向かって天下が動いている時に、黒田官兵衛が苦楽を共にしてきた家臣達と天下取りを目指す場面。
人から好かれる主君の目指す大望を、周りの家臣達が一丸となり支えるという描写はアニメに限らずに物語として、けっこう多くの人に受け入れられやすいものじゃないかと思った。
アルスラーン戦記はまさにこの構図なんだよね。
これだけでもけっこう引き込まれやすい構図なんだけど、この作品には敵側に作品を支えると言っても過言じゃないキャラを配置している。
ルシタニアによるパルス征服で影の黒幕のヒルメス。
バトル物や戦争物の戦闘描写のある作品はやっぱり敵キャラが本当に重要だと思う。
敵キャラはとんでもなく重要。
実際の歴史をドラマにする大河ドラマは、敵も実在の人物だからある程度制約がある中でキャラを演出する事になる。
けどアニメに限ってはその制約が無いから、一からキャラを作れる。
架空とはいえ、歴史ドラマを扱う作品としてはこの差は大きい。
ただ、アルスラーン戦記の敵役ヒルメスは、キャラの生い立ちの設定か、かなりひねくれキャラになってしまっている。
主人公のアルスラーンが真っ直ぐな正直者キャラな分、余計にそれが際立ってしまっている。
逆に言うとアルスラーンの純朴さを際立たせるのに役立っているのかもしれない。
こうしたキャラ設定の為、ヒルメスは作品上では悪役中の悪役的な感じになっており、ヒルメスとアルスラーン一党の戦いにも注目せざるをえないように仕向けられている気がする。
2期の冒頭もヒルメスの登場から始まっているだけに、このキャラの物語上の重要度が高い事がわかる。
その後のオープニング前のペシャワール城塞に侵攻してきたトゥラーン軍に対してのアルスラーン率いるパルス軍の整然とした隊列の描写が印象深い。
1期の1話を見ての感想でも書いたけど、まるで軍隊の隊列の中を飛行する鳥の目の視点かのようなスピード感のあるシーンはアニメならではの映像だと思う。
話自体も面白いのは間違いないのだけど、この作品は映像のカット的なな部分もなかなか他のアニメではお目にかかれないような演出を多数含んでいる。
話的に大軍勢同士の戦闘があるからこそ描く事ができる映像だと思う。
にしてもアルスラーン配下のキャラクター達は強いねぇwww
鬼のいぬ間になんとやらを狙ったトゥラーン軍、圧倒されちゃってる。
1期の終わりでは、アルスラーン軍の充実ぶりからあとは王都奪回あるのみって感じだったけど、そうは問屋が卸さなかったらしい。
弱ってる隣国があればそりゃ攻めますわw
この展開、簡単に王都奪回できないよって事かな。
見てる方としても、簡単に王都を奪回してしまってはつまらないから、一難二難ある展開の方を望んでたけど、きっちりと応えてくれてるのもありがたい。
2期は本格的に王都奪回が始まるのだろうけど、王都奪回という大きなテーマの中で、冒頭でヒルメスが話していた伝説の宝剣ルクナバードの争奪も物語の見どころとして入ってくるみたいだ。
しかも2期の1話からいろんな事起きすぎじゃねぇかという内容ww
これは正直今後がどうなるのか気になる。
大きなテーマの中に、どれだけ見る側が気になる展開を用意できているかで、先が気になる作品になるかどうかが決まる気もする。
そういう意味では、2期の始めに1期から引き続く大きなテーマとは他に、また別のテーマを示す事は、作品に対しての視聴する側のマンネリ化を防ぐ事に成功していると感じた。
2期の1話を見ていて、原作自体が、物語の進行上でいろんな出来事があって、読者を引き付ける展開なんだろうけど、1期の最後と、2期の始まりの時点をうまい具合に原作に区切りをつけたという印象を強くもった。
1話を終えた時点で、2話早くという思いが強いwww
今年の夏は毎週日曜日に楽しみが増えた。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

最新記事 by アニメ批評家気取り@ヨーズ (全て見る)
- この素晴らしい世界に祝福を!2感想・考察・評価 - 2017年1月12日
- チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜感想・考察・評価 - 2017年1月10日
- 幼女戦記感想・考察・評価 - 2017年1月7日