アルスラーン戦記について書きます。
この作品は、銀河英雄伝説や創竜伝などで知られる田中芳樹さん原作の大河ファンタジー小説。
鋼の錬金術師や銀の匙 Silver Spoonでおなじみの漫画家荒川弘さんが作画をして別冊少年マガジンにて連載をされているもののアニメ化作品。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
出典:http://nijimen.net/archives/42151442.html
スタッフ詳細
- 原作:田中芳樹、荒川弘
- 監督:阿部記之
- シリーズ構成:上江洲誠
- キャラクターデザイン:小木曽伸吾、田澤湖、渡邊和夫
- 音楽:岩代太郎
- 製作会社:ライデンフィルム×サンジゲン
- 製作:「アルスラーン戦記」製作委員会
主要キャラキャスト詳細
- アルスラーン:小林裕介
- ダリューン:細谷佳正
- ナルサス:浪川大輔
- エラム:花江夏樹
- ギーヴ:KENN
- ファランギース:坂本真綾
- 銀仮面卿:梶裕貴
- アンドラゴラス三世:菅生隆之
- タハミーネ:田中敦子
- ヴァフリーズ:津田英三
- カーラーン:大川透
- キシュワード:安元洋貴
- クバード:三宅健太
- シャプール:小西克幸
- イノケンティス七世:桜井敏治
アルスラーン戦記公式PV
気になったキャラ・セリフ
第1話を視聴して気になったセリフは、アルスラーンを人質にとって逃亡したルシタニアの少年が、アルスラーンに対して言った『人は皆平等だ!よってわれ等の神の教えに従わぬ貴様ら異教徒は差別し殺してもいい。』です。
もの凄く矛盾を感じるとともに、あまりの意味のわからなさにすがすがしさを感じてしまったのは僕だけでしょうか?
この少年に対してはそう感じますが、普通に考えたらものすごく怖いセリフですよね。
日本では宗教の自由が保障されているわけですが、世界では宗教戦争が今だ起こっているわけで、中世までは自分達の信じる神が絶対で、それ以外の価値観を信じる他者は排除しても良いという考えが普通にあったと思うと非常に怖いですね。
第1話の感想・考察・評価
アルスラーン戦記という作品は、僕が10代前半の時に劇場アニメにもなっていましたし、原作者が同じ田中芳樹さん銀河英雄伝説のファンなのですが、その田中芳樹さんの代表作という認識で以前より作品名は知っていました。
原作が完結をしたら読んでみようかなと10代の時に思った記憶があります。
しかし完結せずに20年はたってますかねw
そんな感じでしたが、荒川弘さんの作画で漫画化されたので、そっちのコミックスは読みました。
それがアニメになるという事で、楽しみにしていたのですが、やっぱりアニメってすごいですね。
合戦のシーンが物語冒頭にあります。
戦場の中を映像がかけずりまわるようなシーンがあるんですが、戦場の中をまるで鳥が低空飛行をしていて、その鳥の視線を見ているような感じでダイナミックに感じましたね。
実写でのイメージでは、ウサイン・ボルトが撮影カメラを持ってカメラをふりながら走って抜けていくって感じの撮影にりそうな画が、描かれています。
実質、カメラは重いわけですからそんな撮影不可能なわけで、アニメの表現の凄さをあらためて感じました。
と思っていると、その戦場の上を鷹のアズライールが飛んでおり、スタッフクレジットのバックでアズライールが王都に帰還するシーンが出てきます。
やっぱり鳥視点での描かれてたのかと、製作スタッフの演出の上手さも感じました。
第1話の内容はコミックスを読んでわかっていたんですが、戦のシーンや、描かれる街のシーン等、絵に動きがあるだけで全然別物という感じです。
第1話はアルスラーン戦記の作品の世界観の説明という色合いが濃いと思います。
大陸公路の中心で豊かな国パルスとイアルダボート神を信仰する宗教国家ルシタニアと両国の価値観の違いが、パルス王太子アルスラーンとルシタニアの少年とのやり取りで浮き彫りになるわけですが、奴隷制度を敷いてるけど豊な国パルスと信徒皆平等と説く宗教観を持つが異教徒は殺しても良いというルシタニア。
双方の国や人の価値観が社会的矛盾を孕んでいるものであり、その歪んだ価値観のぶつかり合いの中での人間模様が描かれていく作品なのではないかと感じました。
田中芳樹さんの同じ原作の銀河英雄伝説も、腐敗した民主主義と優れた君主による専制政治のぶつかり合いという、社会的矛盾を孕んでいる価値観同士のぶつかり合いが描かれた作品でしたので、田中芳樹さんの作風なのかもしれませんね。
どちらの作品も架空の歴史小説になりますが、多くのファンがついている背景には田中芳樹さんのこの作風に魅力を感じるからなのかもしれません。
と同時にキャラクターの魅力ですかね。
奴隷が殺された後に見せたアルスラーンの落胆した顔、その時のセリフが『素直に奴隷になっていれば殺されずにすんだのに』いくらなんでも素直すぎんだろwと。
1話を見ただけで主人公が世間知らずのおぼっちゃんで、人を疑う事を知らない良い奴だってわかりますからね。
コミックスを読んで知っていますが、主人公を助ける臣下達も一癖も二癖もある魅力あるキャラですから。
ただでさえ面白い田中芳樹さんの原作に、荒川弘さんの動くキャラクター。
これだけで見応えのある作品という感想です。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

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