コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜について書きます。
ラーゼフォンやエウレカセブンAOの脚本担当である會川昇さん原作で、ガンダムOOの水島精二が監督を務めるオリジナルテレビアニメ。
PVを見た時にその映像のスタイリッシュさに魅かれました。
超人達が存在している別の歴史をたどった日本が舞台の作品との事。
公式ツイッターでつぶやかれる際のハッシュタグは「#コンレボ」です。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
出典:http://animematome.science/jyouhoumatome/?p=1491
コンクリート・レボルティオのあらすじ
「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。
(引用:公式サイト・INTRODUCTIONより)
スタッフ詳細
- 原作:BONES、會川昇
- 監督:水島精二
- 脚本:會川昇ほか
- 音楽:石濱翔、帆足圭吾、山本陽介
- 製作会社:ボンズ
- 製作:コンクリートレボルティオ製作委員会
主要キャラキャスト詳細
- 人吉爾朗:石川界人
- 星野輝子:上坂すみれ
- 鬼野笑美:豊崎愛生
- 風郎太:中村繪里子
- 芳村兵馬:川島得愛
- 秋田大志:金尾哲夫
- 柴来人:鈴村健一
- ウル:大川透
- 人吉孫竹:三木眞一郎
コンクリート・レボルティオ公式PV
気になったキャラ・セリフ
『さらばグロスオーゲン僕らは君の事を忘れないか』主人公の人吉爾朗のセリフ。
このセリフは、昔の特撮ヒーロー物とかでよく使われてそうなイメージがあるセリフ。
この一言だけでも、この作品が過去の少年達に支持をされたアニメなり実写の作品なりに対してのリスペクトを感じる。
俺の年代より一回り上くらいの世代とかがきっとどんぴしゃなんだろうけど、個人的にはウルトラマンシリーズも仮面ライダーシリーズも見たし、アニメだってかなり見た少年時代を送ったので、なんとなく懐かしさを覚えたセリフだった。
第1話の感想・考察・評価
まずこの作品の視聴を決めた理由の一つとして、PVを見た時の映像のスタイリッシュな所に魅かれたのがあります。
ボンズがアニメーションの製作会社ですけど、初めてエウレカセブンを視聴した時には、なんてオシャレなアニメを作るんだろうという思いを抱いたものですが、コンクリート・レボルティオのPVを見た時に同じように映像表現として色使いや文字の噴出し方等にスタイリッシュさを感じました。
最近だとパンチラインにこういった感じを抱いたかもしれない。
ボンズは昔から映像表現として、他のアニメ製作会社よりも色彩という面や、物語や人物描写などの演出というよりアニメの絵それ自体を、視聴者側にどう表現すれば作品の魅力が伝わるのかを試行錯誤している会社に感じていた。
ボンズ以前のアニメ製作会社で絵で物語の世界観を表現するような演出をする会社ってあったのかなぁ?
最近は各会社がいろいろな表現手法を取ってきてるけど、その先駆けはボンズじゃないかと思う。
それと、PVに出てきた星野輝子の顔アップの1シーンが、なんとなく機動戦艦ナデシコのミスマルユリカに似てたんだよなぁw
これはもう個人的主観でしかないけど、髪の色合いとか目の感じとか。
ナデシコを思い出させられて懐かしさを感じると共に、星野輝子に対して興味を持ってしまったw
アニメ好きにとってやっぱりキャラクターは大事なんだなと。
自分が好きなキャラとか気にしてるキャラとかと、ほぼ関係ないのに関係あるかのように認識してしまうんだからw
まぁこれは俺だけの話かもしれないけど。
これに似た部分で、好きなキャラクターの声優を調べて、その声優が演じているキャラクターが出てる作品を視聴する動機になるという現象にも繋がるのかもしれない。
アニメや漫画がストーリーだけではなく、キャラクターが大事だという事が解る現象かも。
と、個人的な思いはさておき、この作品の視聴を決めた理由の一つに超人が普通に存在しているという世界観の設定にも興味を持ったから。
異能の力を使う存在が、街中で普通に存在をしているという点では、同じくボンズ製作の血界戦線と共通する部分があるけど、血界戦線は主人公達が所属するのは秘密結社であって裏社会側に立ち位置がある。
けど、コンクリート・レボルティオは主人公や主要キャラが超人課という政府側の役人の立場に立ち位置がある。
同じ異能の力を使う存在が出てくる作品であり、さらに製作会社も同じでありながら、主人公や主要キャラ達の立ち位置の違いに興味を持ったというのも大きな要因を占めている。
でも、血界戦線は漫画を読んだだけで、アニメ見てないんだよなぁwwwww
視聴を開始してみると、我々の住む世界とは違う歴史をたどった日本で、大きな戦争の20年後の高度経済成長期という設定だけど、描かれている町並みが昭和30年代~40年代のように、まだ現代のような超高層ビルもなく、路面電車が走っていて、ヒロインの星野輝子が読んでいる漫画が、創刊当時の少年サンデーや少年マガジンのような感じで、実際の高度経済成長期のような舞台設定となっている。
渋谷とか、どう見ても現在のヒカリエの場所にあった五島プラネタリウムっぽい建物とか出てくるし、高度経済成長期当時の街並みを再現しているようだ。
作画の色彩が豊で非常にオシャレ感が出ているだけに、物語の舞台設定とのギャップに、個人的には心地よさを感じた。
高度経済成長期というと映像で表現する場合は、いかにレトロ感を出すかという事に着目されがちだけど、とりあえずレトロ感出しとけば良いという風潮に若干の冷めを感じていたので、高度経済成長期の世界を色彩豊にするという演出は新しさを感じると共に、この作品から懐古的な印象を取り除く事に成功している。
超人や怪人といった異能の力を使う存在が、子供達にとって最もクローズアップされた年代といえば、まさに高度経済成長期であり、超人達が闊歩する世界を描くのであればこの舞台設定は実にしっくりくる。
けど高度経済成長期は、今を生きる我々には遠い過去の話であってなかなかすんなりと話に入り込めない視聴者がいる事は想像できるので、あえて色彩を豊にして懐古的印象を持たれないようにしたのではないかと考えた。
普通の人間以外で、特殊な能力を使う人物は、宇宙人だろうが、妖怪だろうが、お化けだろうが魔法使いだろうが、超人に分類されて、その超人たちに人間の営む秩序を壊されないようにするのが超人課の役目。
そうなると当然、超人課と超人達によるバトルシーンがある事が予想ついていたけど、けっこうバトルシーンも多いみたい。
ヒロインの星野輝子は、魔法使いのようだけど、バトルとなると変身をする。
ここでも魔法少女は変身をするというお約束がきちんと守られている事に、少しだけ安心しつつも、なんで魔法少女と宇宙人が戦うんだよと、突っ込みを入れたくなるwwww
そういう作品の世界観だから仕方ないけど、そういったシチュエーションはこれまで見たアニメではお目にかかららなかったので、けっこう斬新なものに感じた。
しかも宇宙人巨大化するしww
すると善玉の人型の巨大怪獣が現れて悪の宇宙人と戦闘へ。
普通にウルトラマンの世界ww
しかもウルトラマンとは立場が逆ww
もしかしたらこの作品は逆転発想を取り入れた演出を多用するのだろうか?
悪の宇宙人と善玉の人型巨大怪獣の戦闘は完全にウルトラマンの状況を話の中に組み込んでいるわけだけど、ウルトラマンは善玉の宇宙人が、悪の怪獣達をやっつけるというお話。
状況はまったく同じだけど、キャラクターの立ち位置は完全に逆だ。
上記で書いたけど、現実の高度経済成長期の街並みは普通に描くと現代の我々からはレトロ感満載になるわけだけど、色彩豊にスタイリッシュに描く事で、むしろ新しい街並みに感じられ、作品の世界観を古臭く感じさせていない。
これもまた逆転の発想の一つであると思う。
それにしても、この作品は、昭和30~40年代の少年達の理想がつまったような世界を形作っている。
ウルトラマン的な宇宙人と巨大怪獣の戦闘に、主人公の人吉爾朗が駆るエクウスが割って入っていくけど、エクウスは自動車が変形するマシーン。
宇宙人に怪獣にメカってw
原作者の會川昇さんは1965年の昭和40年生まれだから、まさに幼少期が昭和40代なわけだけど、当時の少年達にとっては、宇宙人に怪獣にメカって大好物だったに違いない。
大人になっても少年の心を忘れなければ、こういったアニメ作品の原作を手がけられるという事なのだろうか?
少年の心って大事だわな。
バトルシーンて、いろいろなアニメで出てくるけど、普通は世界観を共にしないようなキャラクターが戦闘を行うから、シリアスな面とギャグな面を両方楽しめる仕上がりにできるようだ。
S遊星人と人吉爾朗のエクウスだけの戦闘シーンであれば、完全な王道バトルアニメとして成立する所を、そこに魔法使いの星野輝子が介入する事で、一気にギャグ的なシーンを差し込む事ができる。
これは一つのバトルシーンで、アクションの持つハラハラドキドキといった手に汗握るような感情を刺激すると同時に、ほんわかというかにんまりというか、ハラハラドキドキとは真逆の感情を同時に抱かせる事ができ、これは作品に幅を持たせる効果があると思う。
通常はこうした事は、キャラクターの持つ性格とかでもって表現する事を、キャラの性格+キャラの持つ設定で2重に表現をする事ができる。
いろいろな異能な能力を持つキャラクターを一緒くたの世界観に放り込む事で生じた良い面ではないかと感じた。
悪い面はというと、それぞれの能力の説得力に対しての整合性に関しての疑問点を抱いてしまう人も出てくるだろうという事。
気にし過ぎかもしれないけど、見ている側は気になる人も出てくるんじゃないかと思う。
そこを納得させるのも作り手側の話作りの手腕にかかっているか。
1話の作りとしては、現在と過去のエピソードが織り交ぜられていて、人吉爾朗と星野輝子の絡みが現在と過去ではまったく別の立ち位置となってしまっている。
なぜ過去と現在で主人公とヒロインの関係が変わってしまったのかがまったく語られておらず、話的に視聴者に対して謎を残したものとなっているので、先が気になる作りになっている。
これでは次も見るしかないかなとw
ウルトラマンに対してのオマージュがあったりして、個人的には共感できる部分が多いかな。
オープニングでエクウスとロボットが戦っているシーンも出てくるようなのでロボ同士の戦闘も見られそうで、さらに期待したい。
にしてもオープニングに出てくる、エクウスと戦っているロボットが、コンバトラーVを鉄人28号ちっくにデフォルメしたものに見えたぞw
とまぁこの作品に対しての感想なり評価はこんな所かな。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

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