乱歩奇譚 Game of Laplaceについて書きます。
ノイタミナ枠で放映されている、江戸川乱歩没後50年作品であり、乱歩作品を原案に現代の設定でストーリーが作られているミステリー作品。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
出典:http://jin115.com/archives/52079492.html
乱歩奇譚 Game of Laplaceのあらすじ
とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。
この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。
(引用:公式サイト・イントロダクションより)
スタッフ詳細
- 原作:江戸川乱歩(原案)
- 監督:岸誠二
- シリーズ構成・脚本:上江洲誠
- キャラクターデザイン:森田和明
- 音楽:横山克
- 製作会社:Lerche
- 製作:乱歩奇譚倶楽部
主要キャラキャスト詳細
- アケチ:櫻井孝宏
- コバヤシ:高橋李依
- ハシバ:山下大輝
- カガミ:小西克幸
- ナカムラ:チョー
- 黒蜥蜴:日笠陽子
- 影男:子安武人
- ミナミ:藤田咲
- 死体君:山口勝平
- ナミコシ:福山潤
乱歩奇譚 Game of Laplace公式PV
気になったキャラ・セリフ
『誰かが煽りでもしない限り、意外と騒がないものなんだよ日本人てのはな。』
主人公のアケチコゴロウが言い放ったこのセリフ。
これまさに日本人の特徴の一面を言い表している気がする。
基本的に意思表示が下手って言われてるし、何をするにしても横一線で赤信号みんなで渡れば怖くないっていう精神性があるように感じてるんだよなぁ。
だから何か思う所があったとしても周りの空気をまずは読んでKY行動を取らない事を心掛けてる気がする。
けど、誰かが騒いでたら自分も騒いじゃうみたいな。
まさかアニメを見てて日本人の特徴を改めて認識するとは思わなかったw
第1話の感想・考察・評価
ノイタミナ枠で、作家江戸川乱歩の没後50周年作品という事で、ミステリー系のアニメなのかなという事は想像ついた。
といいつつも江戸川乱歩の作品は、これまで生きてきた中で乱歩の作品は読んだ事がまったくない。
乱歩素人なのに、この作品にああだこうだ言うのは気が引けたんだけど、まぁこの乱歩奇譚 Game of Laplace自体が、江戸川乱歩の作品を原案としているだけで、乱歩の作品じゃないからいいかって思ってああだこうだ言う事にしたww
とはいいつつも、原案の作者である乱歩がどういった人物なのかは気になる。
はっきり言って名探偵コナンの、江戸川コナンの苗字の方の元になったという事と、作品の描写にエロとグロ描写があるという事くらいしか知識がなかった。
wikiで調べたら日本の探偵小説の基礎を築いた人との事。
誰でも知ってる、明智小五郎に、怪人二十面相というキャラクターの生みの親という事だ。
探偵キャラといえば明智小五郎か作家横溝正史の作品に登場するキャラクター、金田一一のじっちゃん金田一耕助というイメージがある。
けど明智小五郎の初登場が1924年で、金田一耕助よりも22年も前に生み出されたキャラクターという事を考えると、江戸川乱歩が探偵物の基礎を築いたという事には納得がいく。
また、やっぱり作品の中には「エロ・グロ・猟奇・残虐趣味」を前面に押し出したものもあるとの事で、当時の他の作家達とは一線を画した作風を持っていた人のようだ。
だからこそ、生み出したキャラクターの名前は知名度が高く、作品を読んだ事がないのにその名前やを知っているのだと思う。
では、肝心の乱歩奇譚 Game of Laplaceがどんなかというと、各話のタイトルが、乱歩の作品名であり原案を元に話作りをしているという事だけど、時代背景は現代のようで、乱歩の作品を現代に置き換えてアレンジをしているという事になるのかもしれない。
乱歩の作品を読んだ事がないからなんとも言えないんだけど、オープニングのアニメーションからしてドクロを出したり、実写とアニメを織り交ぜて、おどろおどろしい感じを出していたりしているが、乱歩作品の世界観はこうしたおどろおどろしいイメージなのだろうか。
てか読んだ事ないけどそうしたイメージは確かにある。
ドラマとか映画の映像や画像を見ていたりするかららかもしれない。
話を見ていくとモブキャラはグレーで塗られている。
ノイタミナ作品でモブキャラがきちんと描かれていないのという作品は、俺が視聴してきた中では記憶がない。
といってもノイタミナ作品全部みてきたわけじゃないけど。
このモブキャラの描き方は、演出上あえてそうしているのかもしれない。
主要キャラでも、最初の登場時にモブと同じくグレーに塗られていて、セリフをしゃべるうちにきちんとした姿が現れるという手法が取られており、モブキャラをしっかりと描かないのも乱歩作品の世界観を出す為のものなのかもしれない。
モブがグレーで塗られている事で、おどろおどろしい感じを出せている。
作画が面倒だから、手間をはぶくのと、世界観の演出の二つ、一石二鳥を狙っての事だとは個人的には思いたくないなぁw
まぁそれはないだろうと。
にしても第一話は、タイトルが人間椅子前編てなってるけど、いきなり教師がバラバラに殺されてて、バラバラ死体で椅子を形作るって、犯人どんだけキチってんだよw
でもって、第一発見者の学生コバヤシにしろ、捜査している警察のキャラとか、主人公のアケチコゴロウと、みんなそんなグロ死体の前でまぁ冷静w
皆さんどんだけ修羅場くぐってんだと問いたくなる。
てか、コバヤシに限っては普通の学生じゃねぇのかと。
公式ページのコバヤシのキャラクター説明には、他者への興味が極端に薄くとは書いてあったけど、死体発見時のリアクションが冷たい現代っ子の突き抜けたバージョンって印象かな。
まぁキャラ設定的に肝据わってるって設定されてるのかも。
キャラクターといえば、主人公のアケチコゴロウ。
高校生で宮内庁公認の探偵って設定だけど、見た目が探偵物語の松田優作の高校生の頃といった感じで、高校生のくせして超渋い。
それか、カウボーイビバップのスパイクの若かりし頃みたいな。
どちらにしろ渋いんだけど、声が櫻井孝宏さんがやっている事もあり、アニメキャラ的にただのイケメンかいwという印象を受けた。
まぁ普通に見た目、探偵物語の松田優作入ってるんだけど、乱歩の明智小五郎は、ドラマとかだとビシっとスーツで決めた紳士ってイメージ。
もし制作側が意識をしているとしたらだけど、そこに松田優作のハードボイルド感を入れてくるのは面白いなぁと感じた。
アケチコゴロウの事務所の内装がまさしく乱歩の探偵物に出てきそうな館の内装と同じ(乱歩作品は読んでないからドラマとか映画の画像等からの断片的なイメージ)感じ等、乱歩の世界観をイメージさせるのは、乱歩奇譚 Game of Laplaceという作品のタイトルや乱歩作品を原案としている事からも必要な事だけど、それだけだと江戸川乱歩作品のドラマ化とか映画化をすれば良いわけで、やるのであればアニメでしかできない演出をという事で、乱歩の探偵に探偵物語の松田優作を配置するという遊びを入れたんじゃないだろうかと思った。
あとアケチコゴロウの事務所にモブキャラの警官が来るけど、色がグレーからアケチコゴロウの事務所の内装と同じような配色になっている。
モブだけあって物語の進行を色で邪魔をしないで、見ている側がすんなり進行を見入れるという事への配慮だと思う。
場面場面でモブの色を背景の色と同系の色へと変えるというのは、見ている側にとっては、主要キャラがより浮きだって目に入ってくるので、話の内容がすんなりと入ってくる効果があるかもしれないと感じた。
前に見たあるアニメのモブはずっと黒系統の色で逆にモブが邪魔くさいと感じた事があった。
こうしたちょっとした配慮で視聴者が、ストーリーにより入り込めるのかと新たな発見があった。
キャラクター同士のやり取りで事件の推理を整理する時などに、場面があたかも舞台上であるかのような場面へと移り変わってのキャラ同士のやり取りがある。
これもミステリー物としては、事件がどういったものであるかをより浮き彫りにして強調する効果が見込めて、ただ普通の状況でキャラに会話をさせるよりも、見てる側に事件の内容を印象付ける事ができるのではないかと思った。
演出面でただのミステリー物にはない、個人的に気になるものが組み込まれており、事件がどう決着するのかという点もあり次の話も見たいなと思わされた。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

最新記事 by アニメ批評家気取り@ヨーズ (全て見る)
- この素晴らしい世界に祝福を!2感想・考察・評価 - 2017年1月12日
- チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜感想・考察・評価 - 2017年1月10日
- 幼女戦記感想・考察・評価 - 2017年1月7日