GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり第2期について書きます。
2015年の夏に放映された作品の2クール目。
今期は、原作単行本版2巻、文庫版3巻と4巻にあたる炎龍との戦闘を描く、炎龍編を主に映像化されるとの事。
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作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり第2期あらすじ
銀座事件の賠償をめぐり、「異世界」を統治する帝国側と日本政府の交渉はなかなか進展を見せずにいた。
一方、伊丹耀司ら陸自偵察部隊が拠点とする、『門(ゲート)』周辺は、両世界の人々を繋ぐ交流の場として栄え、その絆は次第に深まっていく。
そんな中、炎龍に父親を殺されたエルフ、テュカがその後遺症により心を錯乱させていった。その姿に伊丹は炎龍退治を決意。
(引用:アルファポリス・単行本詳細ページより)
スタッフ詳細
- 原作:柳内たくみ
- 監督:京極尚彦
- シリーズ構成:浦畑達彦
- キャラクターデザイン:中井準
- 音楽:藤澤慶昌
- 製作会社:A-1 Pictures
- 製作:ゲート製作委員会
主要キャラキャスト詳細
- 伊丹耀司:諏訪部順一
- テュカ・ルナ・マルソー:金元寿子
- レレイ・ラ・レレーナ:東山奈央
- ロゥリィ・マーキュリー:種田梨沙
- ヤオ・ロゥ・デュッシ:日笠陽子
- ピニャ・コ・ラーダ:戸松遥
GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり第2期公式PV
気になったキャラ・セリフ
『最後まで責任を持てないのなら何もするな』
これは黒川が娼婦のミザリィを気にかけてアルヌスの事を教えてた場面で、黒川が思い出した回想シーンで思い出した、主人公伊丹耀司のセリフ。
よかれと思って人を助けようとする事はよくあるかもしれない。
けど最後まで責任が持てるかどうかなんて、人助けの時に考えていない気がする。
これって今まで軽い人助けしかした事がないんだなと、振り返させられた。
自分に負担のかかる人助けをする場面に遭遇したら、伊丹のこのセリフを思い出して考えてみてもいいかもね。
第1話の感想・考察・評価
GATEは、2015年の夏アニメの中でも視聴してかなり楽しめた作品だったので、2期はまだかまだかと待っていた状態。
そもそも、自衛隊をネタに扱っている作品を去年の安保法案の審議中によくも放送したものだなとw
自衛隊って訓練で道を行軍しているだけで、怖いってクレーム入れられるみたいだし、国会でかなり揉めた案件の中心が自衛隊の活動に関してなわけだから、この時期にわざわざ自衛隊が活躍する作品を放送するのはいかがなものかと、筋の通らないクレームを入れる人もいるんじゃないかとちょっと心配していたけど、そんな事はなかったみたいで良かった。
まぁ、GATEを見る人はアニメが好きな人以外はみないかw
ちょっとこの安保法案にからめてってわけでもないんだけど、昨年の安保法案は自衛隊の集団的自衛権の行使に関しての行動を規定する法律だったわけだけど、GATEは異世界とを繋ぐ門から異世界の住人が日本に最初に侵攻してきてそれを撃退したのが物語のはじまり。
銀座事件は、国民の生命と財産を守る為の軍事活動を自衛隊が行ったわけで、これは個別的自衛権の範疇って事で行われた軍事活動っていうのは理解できる。
その後、自衛隊が異世界に行って軍事活動を行っているんだけど、異世界である特地は他国の領土という認識ではなく、日本国内にある特別な場所って認識だから軍事活動を行う事が肯定されているのかなと考えた。
特地にはその世界の国家が存在していて、その世界の領土に自衛隊は事実上進行しているわけで、状況だけで判断すると、自衛隊他国の領土を侵害しているじゃんwwwww
って事になる。
これって自衛隊という組織にとっては見る人が見ればネガティブな描かれ方だよね。
安保法案に反対の人達って自衛隊という組織を、個人的にはあまり肯定していない人達のような印象だから、自衛隊がネガティブに描かれるとするのであればOKみたいな感じでGATEがあの時期に放送がされていても特にクレームとか入れる気にならなかったんじゃないかなと、下衆の勘繰りをしてしまった。
作品中では、確かに異世界の住人を自衛隊が戦闘で蹂躙する場面とかも出てきて、一見戦力の劣る異世界の国家と自衛隊が戦うという、大人と子供の争いのような構図なわけだけど、最初に進行をしてきたのは異世界側であり、自衛隊は国民を守る役目を果たしていて、異世界の住人を保護したりと、むしろポジティブに描かれている。
この作品を見た人は、自衛隊に対してネガティブな印象よりもポジティブな印象を持つ人の方が多いんじゃないかと。
で、第2クール放送直前特別ニコ生を見たら、2期は炎龍編がメインになってくるって話じゃないか。
1期を見終わった後に、話の先が気になって原作を買おうかどうか真剣に悩んで、どの程度原作が出てるのか見て、文庫版で本編は10巻なのを把握した。
でもって2期が炎龍編がメインっていうのを聞いて、原作だと文庫版3巻4巻みたいだから、全然まだ先あるじゃんって、嬉しさと悲しさと複雑な気分になったw
まぁそこは、2期が終わっても3期、4期と期待を持てるって事にもなるんだけど、2期の円盤が売れないと続編は製作されないんじゃないかと、放送前から気になる所。
1期を見た後の作品に対しての俺の中の評価はこんな感じでけっこう高い。
という事で2期1話を視聴。
まずOPがかっけ~w
1期のOPもかっこよかったけど、2期はOPで新キャラの登場もわかるし、単純に岸田教団&THE明星ロケッツのGATE II ~世界を超えて~っていう曲がかっこよすぎな上に、自衛隊の隊員・戦車・ヘリとかの戦闘描写のサビとか、疾走感ありありで、ミリヲタでもなんでもないけど興奮する。
兵器を扱う作品て、俺だけかもしれないけどなぜか興奮するんだよね。
これってたぶん非日常のものを見てるから、アドレナリン的なものが脳の中で出てしまうんじゃないだろうか?
エンターテイメントという言葉の中には(楽しみ、気分転換、気晴らし、遊び、息抜き、レジャー)といった言葉が類語で含まれているとの事で、これらの類語は日常的な事よりも、非日常であるからこそ人々が惹きつけられるんじゃないかと考える。
だからこそ兵器を扱う作品は、どうしたってエンターテイメント性が高くなるわけで、そんな作品内容のOPで曲がかっこいいとなると、見てる方はテンションあがりますわw
特地の異世界国家である帝国は、皇帝と元老院が存在していて、旧ローマ帝国の政治体制を模して描かれている。
そんな帝国では、貴族は人間種であって、獣人種は貴族から差別されているような描写。
片や日本では、政府政治家が、現場の自衛隊の隊員や、各省の官僚達の帝国との和平を円滑に行う為の行動を顧みずに、他国やメディアに対する対応を優先させる事で自己保身を考えているような描写。
こうした描写は、よく考えられてるなぁと関心する。
話の一番大きな筋は自衛隊が、異世界に行って戦うというごくごく単純なものなんだけど、物語の世界観の中に、こうした社会的な構造を差し込む事によって、自衛隊がただかっこよく俺強えーと暴れるだけの作品となる事を防ぎ、作品に深みを持たせる事に成功している事もこの作品の魅力の一つではないかと思う。
それと、主人公の伊丹が、帝国の元老院議員に自衛隊の64小銃の射撃や81mm迫撃砲の威力を見せる場面。
作中でも帝国の議員達のリアクションははんぱないんだけど、こうした武器の映像って我々現代の人間はかなり目にしていてどんな威力があるのかとか想像がつくわけだけど、この場面は、旧ローマ帝国の人間が、現代の武装の威力を見せられているようなもんで、実際には2000年前の人間には想像もできないだろうなと。
そう考えると2000年前のローマ帝国と日本の自衛隊が戦闘をしたとするのが、この作品世界の良い例えかもしれない。
帝国との戦闘だけではなく、町のマフィア組織との戦闘でも、一夜で町一番のマフィア組織を壊滅させる自衛隊。
2000年前の技術力との戦闘では、そりゃ勝ち確定ですw
ただしっかりと、自衛隊は専守防衛の精神を特地でも持って行動をしている。
この作品は自衛隊という実質的な軍事組織を扱っているわけだけど、憲法9条を逸脱しない範囲で、ある勢力と自衛隊の大規模戦闘を描く事に成功している事が一番秀逸に感じる部分。
実際の世界を舞台にして自衛隊に戦闘を行わせるようにするには、大規模戦闘ともなると、どうしても憲法との兼ね合いが出てきて、不快に思う人も出てくるかもしれない。
けど、異世界という舞台を用意する事で、戦闘描写で自衛隊に大規模な展開を許す事ができる。
今までの小説なり映画なりだと、人間対人間の戦闘に自衛隊をここまで大規模に展開させる作品てあんまり無かったんじゃないだろうか?
それでいて、主人公がオタクでレンジャーだったり、ヒロイン的立ち居地に異世界側の住人である女性キャラを複数配置していたりと、魅力あるキャラクターも多いし、キャラクター間の関係性も視聴者側がより想像を膨らませやすいように描かれている気がしていて、自衛隊という現実世界では論争がつきず、いろいろと制約も多く、その権限や行動に賛否ある組織を描いている作品で、本来ならばとっつきにくテーマであるように思える所を、漫画・アニメ等のファン層に受け入れやすいようによく練られている作品じゃないかと思う。
1話の引きなんて、緊迫感もあってかなり次が気になるよ。
2016年冬アニメの中でかなり期待が持てる作品なんじゃないだろうか?
てかなんで1話にロゥリィ出さねーんだよwwwwww

アニメ批評家気取り@ヨーズ

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