ガーリッシュナンバーについて書きます。
声優・アニメ業界をテーマに扱っている作品だし、俺ガイルの渡航氏が原作という事でかなり興味があった作品。
公式ツイッターでつぶやかれる際の推奨ハッシュタグは「#ガーリッシュナンバー」です。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
ガーリッシュナンバーあらすじ
某月某日、某アニメのパッケージ発売を記念したイベントが都内某所で開催されていた。主演の苑生百花、柴崎万葉、ふたりの人気声優が登壇する華やかなステージを、舞台脇から野心を秘めた瞳で見つめるひとりの共演者がいた。実力も人気もまだまだな駆け出しの声優・烏丸千歳である。野心はあっても、特別に何か努力をするわけでもなく、モブ役ばかりをこなす毎日に漠然とした危機感を感じている――そんな千歳に訪れる転機とは!?
(引用:公式サイト・STORYページより)
スタッフ詳細
- 原作:Project GN
- 監督:井畑翔太
- シリーズ構成:渡航
- キャラクターデザイン:木野下澄江
- 音楽:菊谷知樹
- 製作会社:ディオメディア
- 製作:ガーリッシュ ナンバー製作委員会、TBS
主要キャラキャスト詳細
- 烏丸千歳:千本木彩花
- 久我山八重:本渡楓
- 片倉京:石川由依
- 苑生百花:鈴木絵理
- 柴崎万葉:大西沙織
- 九頭P:中井和哉
- 十和田AP:江口拓也
- 烏丸悟浄:梅原裕一郎
- 難波社長:堀内賢雄
ガーリッシュナンバー公式PV
気になったキャラ・セリフ
『声優って大変だぁ』
ヒロイン烏丸千歳のセリフだけど、一アニメ視聴者の立場から見ても声優って大変そうだよね。
単純に演技もうまくなければいけないし、ラジオとかでトークも面白ければいけない、歌も歌わなければいけない、踊りもしないといけない、極め付けは顔のレベルも要求される。
1人何役やるんだよwwww
芸能というくくりで考えた時に、その辺のタレントなんかよりよっぽどきつい仕事なんじゃなかろうか?
第1話の感想・考察・評価
2ちゃんの声優板のまとめとかでよく画像が貼られていたりしてるのを見ていたので、なんとなくその存在は知っていた。
内容的に声優を題材としているお話という事も知っていたので、アニメ好きな俺としては興味ありありで視聴を決めていた。
昨年放送された、それが声優でも、声優業界の事が描かれていたけど、なんとなく声優業界あるあるに終始されていた印象がある。
ガーリッシュナンバーではどの程度深く掘り下げて描かれているのか楽しみにはしていたが、冒頭のイベントシーンでのキャラクター同士のやり取りを見るに、けっこうバチバチな感じで、いきなり引き込まれましたわww
えっ声優同士ってこんなやり取りしてんの?みたいなww
なんとなく問題作になりそうな予感がしているとこに、オープニングがイベントのシーンで歌われる劇中作の主題歌で、イベントシーンのライブをそのまま第1話のオープニングにしてしまうとは、なかなかに面白い演出。
ここまで見た限りでは、キャラクターの腹黒な面をクローズアップしたり、映像のシーンをそのままオープニングにもってきたりと新しい事をやってくれそうな印象を受けた。
そもそも、1話のタイトルが「やさぐれ千草と腐った業界」だからねww
もう見る前から声優業界やアニメ業界って腐ってるのか?と思わせられますよ。
まぁあくまでネタとしてなんだろうけどね。
これ見て改めて思わされたのは、アニメ制作は商業って事かな。
我々視聴者からすると、ネットをはじめとするメディアで得られる情報から、見たいアニメを厳選して、家でそのアニメを視聴して、余暇にあてる。
単純にこの構図なんだけど、そのアニメを作るのに様々な人間が携わっていて、アニメから得られる収益を追い求めているという事。
毎季節に新しいアニメが放映されていくという現在の日本のアニメ環境に慣れ過ぎてしまっているけども、これって裏では必至に仕事してる制作スタッフが存在しているからこそこの状態が続いているんだなと。
蛇口をひねれば水が出るというように自然になっている気がするけど、この状態はそれ程自然なものなのかちょっと気になった。
アニメ制作が商業という事は、当然収益が出るからやっているわけであって、収益が出なければ商業活動は続かない。
という事はこの状態がいきなり止まる事もあり得ない事じゃない。
アニメを作るのに制作費的には相当かかるんだろうけど、それを回収するのってかなり難しい事なんじゃなかろうかと。
顧客であれる我々アニメファンは、お気楽にアニメを見てるけど、制作側からしたら作品の評価って生活に直結するから大事なんだろうね。
毎季節何十もの作品が世に出るうちで、人気が出るヒット作って一握りだろうしね。
こう考えると全てのアニメに、制作に携わった人達の魂がこもっているように思えて、この第一話を視聴してて軽く有難みも感じてしまったよ。
でも、今日寝て起きたらいつもの感じに戻ってそうwwww
そういった事を思わせてくれる、業界の裏側を描いているこの作品も商業作品。
アニメを日々見ている視聴者にとってはアニメ業界の裏側って知る術が無いけど、興味はある。
視聴者の興味を刺激する内容を提供するという意味では、商業作品として間違ってはないと思う。
ただ、描き方が多少ブラックだよねww
キャラのやり取りとか、ヒロインの心情とか、かなり性格悪いように描かれているけど、これが真実なんだろうなぁとも思う。
日常生活で女性同士なんてマウンティングという言葉が流行るくらい、他者よりも上の立場でいようとしたい関係性だろうしね。
本来は、アニメに出てくるキャラクターにハマってしまう所までが、アニメ視聴のモラルのように感じてしまうけども、ファンとしてはキャラクターを演じる声優にも興味がいってしまう事は大勢の視聴者が体験している事だと思う。
その際に、キャラと声優をかぶらせて、声優をみてしまうという事もあるかもしれない。
ただ、この作品を見てると、そういった視聴者側の幻想をいい感じに打ち砕いてくれるのがいいwww
キャラクター=声優という幻想を抱いてしまう我々視聴者を、競馬で競走馬が引っかかってしまっているような状態から、あえてブラックユーモアを交えていく事で、騎手が折り合いをつける事ができたというような状態にしてくれる気がした。
この作品の原作が、俺ガイルの渡航氏という事で、なんとなく作風が出ているように感じた。
俺ガイルとガーリッシュナンバーの共通項として二つ感じた事がある。
一つは、作中にネガティブという大きなキーワードをはらんでいる事。
俺ガイルは、主人公の周囲に対しての思考がネガティブ極まりない。
一方ガーリッシュナンバーは、作中作の原作を小説ではなくラノベとあえて言い換えたり、作中作の原作者を女性視点でキモイように人物描写したり、アニメの声優を売り出すのに顔さえ良ければ、演技等関係ないように描写したりと業界が腐っているとし、作品の世界観をネガティブに描写している。
もう一つの共通項は、ぶっちゃけ具合。
俺ガイルの方は、主人公が周囲の人間に対して、普通は言わないような事を発信していくスタイル。
ガーリッシュナンバーは、作品全体を通して表には言わない事をぶっちゃけている。
ネガティブとぶっちゃけが備わっているのが、渡航氏の作風の特徴の一つなのではないかと思った。
個人的な意見として、基本的に人間は、所謂リア充的な人間をあまり好ましく思わない傾向があるのではないかと考えている。
でなければ人の不幸を追う事を商業としている、週刊誌やワイドショーというものが存在するはずがない。
他者のネガティブ要素が好きという事は、自身もネガティブであると言える。
ましてや、中世や戦前、高度経済成長期の1億総中流等、どこを見渡しても自分と同じ生活水準の人間しか見えなかった時代と違い、個性を重んじる教育や、経済格差から人と違う事が当然の時代となっている。
欧米では個性や人と違う事が称賛されるけど、日本では島国で鎖国の時代も経ており、集団意識が強く、出る杭は打たれる文化風習、価値観がまだまだ根付いている。
その価値観を根底に持っているのに、人と違う事が良しとされたり、経済的に格差が生じて周囲との生活水準に違いを感じるという状況に放り込まれている現代の日本人は、無意識で周囲と何かが違ってしまう日々に不安を感じて過ごしている人が多いのではないだろうか?
そうなってくると、ポジティブに物事を考えるよりもネガティブ傾向が強くなる。
なので、主人公がネガティブだったり、世界観がネガティブだったりする作品は、ポジティブ系な作品よりも大ヒットする要素をはらんでいるように感じる。
そこに、本当はこう思っているんだろと、ゲスの勘ぐりできる他者の内心をぶっちゃけてくれるような内容が加わっているんだから、面白いと共感をする人間は多いだろうと思う。
個人的にも性格が悪いキャラって、性格が良いキャラより好きなんだよなぁwww
かく言う俺もネガティブで渡航氏の作風は嫌いじゃないww
とまぁいろいろと思ったけど、結果ガーリッシュナンバーは、声優やアニメ業界の裏側を知れるという知識欲も満たせてくれ、ブラックユーモアにあふれていて、1話を見た限りでは面白いという思いを抱いた。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

最新記事 by アニメ批評家気取り@ヨーズ (全て見る)
- この素晴らしい世界に祝福を!2感想・考察・評価 - 2017年1月12日
- チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜感想・考察・評価 - 2017年1月10日
- 幼女戦記感想・考察・評価 - 2017年1月7日