終末のイゼッタについて書きます。
第二次大戦中の兵器と魔法がぶつかるという事で興味があった作品。
アニメオリジナルという事で、作品の中身がまったくわからないのが余計に好奇心を刺激されました。
公式ツイッターでつぶやかれる際の推奨ハッシュタグは「#イゼッタ」です。
作品を見ての感想や考察、個人的な評価を書いてます。
作品の詳細
終末のイゼッタあらすじ
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。
その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。
そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。
(引用:公式サイト・Intoroductionページより)
スタッフ詳細
- 監督:藤森雅也
- シリーズ構成:吉野弘幸
- キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
- 音楽:未知瑠
- 製作会社:亜細亜堂
- 製作:終末のイゼッタ製作委員会
主要キャラキャスト詳細
- イゼッタ:茜屋日海夏
- フィーネ:早見沙織
- ビアンカ:内田彩
- ロッテ:東山奈央
- エルヴィラ:花澤香菜
- ジーク:高橋広樹
- ハンス:KENN
- トビアス:間島淳司
- ヘルマン:置鮎龍太郎
- ベルクマン:諏訪部順一
- リッケルト:花江夏樹
- バスラー:細谷佳正
終末のイゼッタ公式PV
気になったキャラ・セリフ
『民の信頼に生かされているのだな私は』
フィーネのセリフだけど、久しぶりに高貴なお姫様キャラを見た気がする。
民を慈しんでくれるお姫様設定ですな。
こんなお姫様がこの世に存在したとは思えないだけに、このアニメで理想のお姫様キャラを堪能したいと思うwwww
第1話の感想・考察・評価
PVを見て興味が沸いたので視聴しようと思っていた作品。
なんとなくヨーロッパを舞台にしている戦記物という事で、戦場のヴァルキュリアを彷彿とさせる感じだ。
終末のイゼッタは魔法で兵器と立ち向かい、戦場のヴァルキュリアはヴァルキュリア人の超人的力で兵器と立ち向かう感じで、異能な力を戦闘に用いるという所が設定的に近い。
個人的に戦場のヴァルキュリアは、作品の世界観が好みの部類なので、違う作品だとわかりつつも終末のイゼッタも期待していた。
いざ視聴をしてみると、設定的に第二次大戦中の欧州情勢に近い感じで、ヨーロッパを描いている。
ゲルマニア帝国⇒ドイツ第三帝国
エイルシュタット公国⇒リヒテンシュタイン公国
ブリタニア王国⇒グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)
という感じで、ドイツにナチスが存在していない形の帝国主義国家として描かれているようだ。
ナチスドイツ自体は国家社会主義を信奉する国家であって元首は大統領と首相を兼任する総統なので、厳密には君主国家ではないと思う。
なので帝国かというと、疑問符はつくけど、わかりやすく帝国表記をしたのかな。
アニメやラノベの戦記もので領土拡張にひた走るのは帝国と称される国家と相場が決まっている。
帝国主義的に領土拡張を狙った国家は、国号が帝国ではなくても、歴史上いっぱい存在している。
王国や共和国だって帝国主義をひた走る事があるわけで、個人的に領土拡張する国=帝国としなくてもいいのではないかと考えてしまう。
けど、そこはやっぱり読者への理解度というか、すんなり物語に入ってもらう為に、あえてテンプレ的に帝国=領土拡張国家として描くんだろうね。
通常の戦記物で描かれるのは、同じ時代においての国家間の戦争であって、戦闘に用いられるのは同程度の技術から作られる武器や兵器。
同じ得物でやり合うわけで、勝敗を分けるのは戦略だったり戦術だったりする。
その戦略や戦術の用い方を描く事に主眼が置かれると思うけど、終末のイゼッタに関しては、戦闘に用いられるものが第二次大戦中の技術で作られる兵器と、少女が扱う魔法となる。
こうなると、魔法でどの程度の事ができるかという事がまず興味の焦点となる。
戦場のヴァルキュリアでは、ヴァルキュリア人の超人的な力で、作品世界の兵器を圧倒してしまっていた。
これは、ヴァルキュリア人一人の存在で軍事バランスが一気に崩れてしまうような能力。
異能の力にこのように圧倒的な能力を与えてしまうと、戦闘描写として戦略や戦術の重要性が減ってしまう気がしてしまって、一見は戦記物としての見どころが減るように感じる。
ただ、それも描き方次第。
そもそも国力的に劣る側に異能の力を保有させる事で、戦略的に不利な状態を解消する効果がある。
視聴者としては、単純な戦記物として戦術面の楽しみも残しつつ、異能の力による戦闘介入がどのように描かれるのかという点も楽しめるんじゃないかと思う。
実際に戦場のヴァルキュリアではそうだった。
終末のイゼッタの場合は、第二次大戦中の兵器群に対して魔法という非科学的な能力でどのような戦闘描写を見せてくれるのか非常に気になるなぁとwww
とまぁそんな事を考えつつも視聴開始。
冒頭でフィーネと犬が森の中を駆け抜けるシーンがあるけど、この犬…学校ぐらしの太郎丸に似ていると思ったのは俺だけではない気がするww
どうでもいい事はおいておいてw
フィーネがイゼッタと出会う森のシーンが回想で、シーンが切り替わって列車の中。
列車ではゲルマニア兵が臨検を行っている。
要人たるフィーネを探しており、それに気づいた一行がゲルマニア兵から逃げの一手。
このシーンて第二次大戦中の政治犯やらスパイやらを描いた作品によく出てくるイメージ。
列車の中で追って追われてみたいな。
これだけでも当時の世界情勢の緊迫感が伝わってくる。
第二次大戦当時は世界的に抑圧ムードが漂っていたのだろうけど、作品の世界観を表現するにはなかなかに適したシーンなんじゃないかと感じた。
移動の手段は基本的に列車だったり、ゲルマニア兵の「ジークライヒ」っていう敬礼も、ナチスの「ハイルヒトラー」を模したものだろうし、キャラクターの服装や列車の装飾等からも、アニメ作品であって別世界の物語ではあるけども、できるだけ史実通りに第二次大戦中の欧州を表現しようとしている気がした。
冒頭の列車内でのやり取りを見るに、皇女自らが、国を想い危険を顧みず政治交渉の場へと赴いている事、軍事同盟の為に相手国の王子と自身の婚姻を進める所、臣下への立ち振る舞いを見るに、フィーネは、かなりノブレスオブリージュ的な精神を持つ姫像のキャラクターとして描かれているように思う。
フィーネの容姿と声優の早見沙織さんの綺麗な声とも相まって、非の打ちどころがない姫という印象。
これは国民から絶大な支持を受けているであろう皇女であると。
てか劇中でフィーネはゲルマニア側から「こうじょ」と呼ばれてるけど大公の娘は皇女表記でいいんだろうか?公女じゃないよね。
こんな姫様がいる国民は幸せですわwww
ゲルマニアのエイルシュタットへの侵攻シーンを見て感じるのは、陸続きで国境を接する事の危うさかな。
フィーネがいろいろと国防の為に奔走をしている最中に侵攻される。
正直いつ相手方に侵攻を許すかわからない状態が四六時中続いているわけで、島国日本に育っている俺にはその緊張感てなかなか理解しがたいものがある。
今でこそ、第二次大戦後に相互不可侵の価値観が根付いて、国家間の紛争っていうのは少なくなってきてる。
第二次大戦前の帝国主義時代で、隣国と陸続きで国境を接する事の怖さったらないよ。
海が四方を守ってくれるという安心感は、多くの他国にはないだろうから。
フィーネ的にも苦労して同盟交渉の場についたというのに、その苦労が一瞬にして徒労に終わるんだから、かなり凹みそう。
エイルシュタットへの侵攻が伝えられてからの、実際の侵攻シーンが詳しく描写されるわけだけど、視聴者としては、キャラクターのそんな苦労を前に、今後の展開がどうなっていくのかと興味が出るような話の作り方になっていると感じる。
実生活で戦闘を味わう事は普通の生活をしていればほぼ無いわけで、非現実のアニメの中とはいえ、非現実中の非現実である戦闘を見せられたら、作中により引き込まれる。
その上での上記のシーンの繋ぎは、うまいなぁと。
また侵攻シーンに第二次大戦中に使用されていたであろう兵器がふんだんに登場する。
ミリオタや兵器に興味がある人にはさらに引き込まれる要素があるよねww
でもってフィーネが捕獲されて、ゲルマニアの帝都へと連行される途中でイゼッタの覚醒、この終盤のクライマックスに繋げる繋ぎのコンボはガッツリ作中に引き込んでくれる。
ただこの一連の流れで多少残念だったのが、イゼッタの「姫様~」というセリフ。
違う場面で2回程出てきたのが、どちらも一本調子というか、どうも単調に聞こえてただ叫んでいるだけというように感じたのは俺だけだろうか?
フィーネの声優が早見沙織さんという事と、それまでに国と国民を想う理想的な姫像として納得させられてしまう演技並びに、イゼッタ覚醒直前の名調子とを見せられているだけに、イゼッタの声をあてている人との演技の幅の違いが浮き彫りになってしまって、不自然さとなって目立ってしまったように感じる。
これは重厚なストーリーのアニメでキャリアの浅い声優がキャスティングされている場合にたびたび遭遇する場面だ。
たぶんこの現象は、ストーリーや世界観の重さに演技が負けちゃう現象なんだろうね。
まぁ第1話ではイゼッタはほぼしゃべってないから、2話以降で改善されてくる事に期待したい。
作品的には、魔法で兵器とどう対峙していくのか、戦争をどのようにして終結に導くのか非常に興味が沸く作品であり、とりあえずフィーネの姫っぷりをもっと堪能したいという気にさせられた。
兵器描写もあるだろうし、個人的にはおさえておいて損はない作品だと思う。

アニメ批評家気取り@ヨーズ

最新記事 by アニメ批評家気取り@ヨーズ (全て見る)
- この素晴らしい世界に祝福を!2感想・考察・評価 - 2017年1月12日
- チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜感想・考察・評価 - 2017年1月10日
- 幼女戦記感想・考察・評価 - 2017年1月7日